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【5周年記念号☆私たちが歩んできた道、歩む道】(1)細川モモ×西村創一朗×編集長座談会。「共働きが当たり前」の世界を子ども世代に渡すために

産前・産後を乗り越えれば夫婦は戦友になれる

モモ 夫はいわゆるイクメンなんですが、彼は私の妊娠中にそれこそ、とても印象的な体験をしたんです。子育ての大ベテランの女性たちから「妻の産前・産後の恨みは一生続くわよ。産後は、赤ちゃんが生まれて幸せと思っているかもしれないけれど、妻の側では、よしいつか絶対離婚してやるという伏線が貼られているかもしれないのよ。だから、ちゃんと家事と育児をやりなさい」と脅されたらしくて。

 先輩の女性たちが口々に「私が陣痛で苦しんでいるとき、夫は寝ていた。あの恨みは鮮明に覚えている」とか「産後、大変なときにあの人は何も手伝ってくれなかった」と私の夫に話したそうなんです。いつもは優しい先輩たちからまとめて言われたのがとても衝撃的だったみたいで、夫はパタニティブルーになってしまったんですよ。顔色が悪いからどうしたの?って聞いたら、「産んだ後、妻は豹変するんじゃないか。性格がきつくなって、産後クライシスになって、離婚になるかもしれない」って激しく妄想していたんですね(笑)。先輩ママさんたちにはこれ以上ない説得力と気迫があって、先輩パパからのアドバイスよりも重みがあったようです。

―― なるほど。産前・産後の恨みから熟年離婚のカウントが始まる、ですね。

モモ 女性が命をかけて子どもを産み、必死で育てているとき、夫は何をしていたのかというのはずっと残ります。表面ではうまくいっていても、心の底でフツフツと恨みが煮えたぎっているというのは、女同士で話していても多いですね。仕事ができてプライドの高い男性だったら、離婚とか世間体の悪いこと、しかも妻から捨てられるというのは避けたいと思うでしょうから、こういったアドバイスというか脅しは効くかもしれません。

―― モモさんのお宅のパパとしては、それだけ妻のことが大事で、別れたくないという気持ちもあったのでしょうね。でも、その時期をうまく乗り越えた夫婦は強くなりますよね。

モモ そうそう、だから私も夫に産前・産後は恨みが生まれる可能性もあるけど、感謝の可能性もあるからと伝えました。実際、私は夫の献身的なサポートを受け、積極的に育児に関わってくれている姿を見たことで、「老後の介護も含めて、この人を必ず幸せにしよう」と改めて誓いました。

西村 その時期を力を合わせて乗り切ると、夫婦が戦友になるんですよね。あのときつらかったなというのを共有できると思い出話、笑い話にできる。

モモ だから夫はかなり前のめりに、子育てに関っているのですが、それは強迫概念もややあったかなと思いますね。

西村 人が変わる瞬間って、強烈な共感か強迫のどちらかなんですよね(笑)。

子どもが巣立ったとき、ATM夫にならないためには?

西村 ワークライフバランスの専門家である渥美由喜さんの研究に「夫婦の愛情曲線の変遷」というグラフがあります。このグラフによると、妻の夫に対する愛情は結婚直後がピークで、あとは下降線をたどる一方なんです。出産直後に子どもが1位になって、夫は2位以下に沈みます。そこからは2群に分かれて、大変な乳幼児期に「夫と二人で子育てした」と回答した女性の愛情は回復し、そうでない女性の愛情は緩やかに下降していきます。子どもが高校生になるころにはほとんど愛情ゼロ、「はい、あなたはATMです」みたいになってしまいます。

 その分かれ目はやはり、産前産後の苦しい時期をお互いを戦友として乗り越えたか、家庭の共同経営者としてやっていたかというところなんです。

モモ 産前の妻と夫はまだ恋人の延長上でいられますが、パパとママになると、もうその関係性ではいられないですね。親としての関係性を再構築していかないといけないと思います。そのときも、フィーリングで進めるのではなく、人間関係を丁寧に作らないといけない。それができるかどうかは、夫の育児参加次第だと思います。

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