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小島慶子 夫たちよ、鎧を脱いで育児・夫婦を語ろう

子育て・教育

小島慶子 夫たちよ、鎧を脱いで育児・夫婦を語ろう

一人で抱え込むのはダメ。対話のチャンネルを開通させることが、夫婦の未来を決める

 話題を呼んでいる中田敦彦さんの良い夫やめた宣言。そのあまりの方針転換ぶりに衝撃を受けた読者も多いのでは。読みながら、妻の前では無表情を装ったものの、内心では快哉を叫んだ男性もいるはずです。

 記事の公開から程なくしてネット上では、中田さんの完璧主義が夫婦関係を息苦しくさせていたのではないか、などの声があがりました。もしかしたら、影響力のある中田さんがこういう発言をすると、じゃあ俺も!と深く考えずに後に続く男たちが増えるかもしれません。そして、こんな形で世にさらされた妻の福田萌さんのショックも大きいはずです。

 だけど、この中田さんの記事が結構な勢いで拡散されたこと自体は、意味のあることだと私は思っています。

男性の生々しい本音、これまで数多くありました?

 これまで、女性たちは(私も含めて)夫婦や育児の色々を極めて主観的な視点で随分と語ってきました。もちろん、それは単なる愚痴ではなくて、いずこの家庭にも通底するような問題を可視化したり、シェアしたい感情を言語化したりする営みとして。そうした母による育児語り、妻による夫婦語りに多くの人が共感して、「聖母幻想なんて迷惑だ」「良い妻なんてやめた!」「ママだって人間だ」などなど、心の叫びが広がっていったのです。理想像の再生産ではなく、リアルな実態に則して夫婦や育児を語ることが、今では普通になりました。

 ところが、往往にしてその語りの中で悪者にされがちな男たちには、釈明する機会は与えられませんでした。もちろん彼らも反省するべき点はありますが、誰だって初めから育児の有能なパートナーではないですよね。それに聖人じゃないから粗相もするし、ずるいこともする。彼らにだって言い分はあるはずなのです。盗人にも三分の理…なんて言っては気の毒だけど(←ほら、女性が男性について語るときはこういうのが許容されがちだけど、逆はない)。

 だけど、男性は黙っていたのです。言っても勝ち目がないし、怒られて終わるだけだと諦めていたのかもしれない。言語化するのが面倒臭過ぎたのかもしれない。以前よりも育児に関わる男性は増えているはずなのに、子煩悩パパタレントの育児話や、意識の高いイクメンロールモデルみたいな人のインタビューは目にしても、今回の中田さんのような個別具体的かつ主観的で賛否が分かれるような生々しい話は、女性たちのそれに比したら、ごくわずかしか語られてこなかったのです。

 だって語ると、甘ったれんな!黙って耐えろ!女は耐えてきたんだゴラァと怒られるから。

 女に本音があるように、男性だって本音を吐き出したいときがあるでしょう。それを公に語ってもいいはずです。そうだそうだ!と同調する男たちがいても不思議ではありません。それが正しいと言っているのではなく、そういう場があってもいいじゃない?と言いたいのです。

南半球オーストラリアのパースの家の庭には今、名もなき春の花が咲いています。人生砂漠に思えるときにも、足元には何かがあるもの。何事も、あとで笑って振り返れたらいいですね
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