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母になっても働き続ける “食”を柱にした電通ママ

私立小受験、フレックス提案…会社員でも諦めずに柔軟な働き方を探ってきた

 出会いは数年前、とある教育イベント。登壇者としてご一緒した際、とてもすてきな語り口とたたずまいで輝いていたのが大屋洋子さんでした。制度を作るにも時間がかかる大企業の会社員。それでも決して諦めずに新しい制度を提案し、自分のできる範囲を守りながら淡々と結果を出していく姿勢は多くの会社員ママたちを勇気づけると思い、今回取材をお願いしました。保育園時代から私立小学校受験、入学後の葛藤から管理職となった働き方の経緯まで、今まさに無我夢中で頑張っているDUAL読者へのエールが詰まったインタビューです。

“食育”ブームを盛り上げ、“食”の専門家に

藤村さん(以下、――) “食”のテーマでの講演が多く、テレビ番組にも識者として出ている大屋さんですが、今までの経歴を簡単に教えていただけますか?

大屋さん(以下、敬称略) 「食にまつわるマーケティングの仕事がしたい」という、入社時からの希望がかなったのが入社3年目。それから10年間、マーケティングの部署で、健康や食品関連の会社や製薬会社などを担当した後、1人目を妊娠、出産しました。

 最初の育児休暇明けには同じ部署に戻ったのですが、2歳半違いで2人目を出産後、いわゆる現場の最前線の仕事は断念することを決意。実家は関西、夫は多忙な中、2人の未就学児を抱えていては、急病時には私が駆け付けるしかない……こんな状況で、穴を開けられない仕事を続けるのは難しいという判断でした。

 そのときに異動したのが、電通総研の前身となる研究開発の部署です。そこで、ウェルネスという美容や健康に関するプロジェクトのリーダーをすることになりました。 健康と食は近いですし、育児との両立で時間の制約がある中でしたが、仕事のやりがいはありましたね

 そして、2005年に食育基本法という法案が国会に提出されたのを機に、社内で食育のプロジェクトを立ち上げました。それを引き継ぐ形で2010年に発足させたのが現在の「食生活ラボ」、通称「食ラボ」というプロジェクトです。

 法律ができたことによるインパクトは大きく、ここから“食育”という言葉が広がり、色々なことが動き出しました。その当時から農林水産省の食育担当の推進官の方とは懇意にさせていただいて、一緒に講演をしたこともあります。私たちは民間の立場から、どういう形で食育に取り組めるかを、考えてきました。そのときのご縁は関係ないのですが、2016年4月から2018年3月までの丸2年間は農林水産省に出向。今年度からまた電通に戻り、「食ラボ」のプロジェクトリーダーに戻っています。

―― 民間とは文化が違う農林水産省での2年間は、慣れるまで大変だったのではないでしょうか?

大屋 そうですね、慣れるまでにかなり時間がかかりました。主に担当していたのは、栄養改善の国際展開事業、いわゆる途上国の栄養改善支援の仕事になります。私は、電通時代も農林水産省でも“食”の仕事をしていたので、当時「大屋さんは一貫して“食”の仕事をしているから、楽でしょう」と言われましたがそんなことはなくて。

 まず、仕事に対する常識が違いますよね。当たり前のことですが、営利目的の民間に対して、国は税金を使って国民のために働くという前提から違いますし、文化も言葉も考え方も違いました。

 国際タスクフォースの事務局長を拝命して、管理職の席に座らせてもらっていたこともあって、仕事の判断に迷うことも多かったです。今までの自分であれば「これが正しい。これをやったほうがいい」と考えることも、「でも、ここでは違うのかもしれない」と最初は戸惑いがあって。発展途上国への支援なので、農林水産省だけではなく、内閣官房や外務省、経済産業省、文部科学省、厚生労働省……と各省庁との連携が必要なプロジェクトでもあり、迷ったときには、一緒に仕事をしていた方に確認したり、相談したりしながら進めるようにしていました。

すてきな語り口の大屋洋子さん
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