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エプソン 4人の子持ち人事部ママが繰り出す施策

「共働き子育てしやすい企業グランプリ2017」10位・エプソン【後編】/「ベビーシッター代の全額補助」から、「『エイさんのおうち』設置」まで

4人目の育休中にベビーシッターサービスの無償化を実現

 「育休中は割と時間がある」という矢尾さんが4人目の育休中に実現したのが、ベビーシッターサービスの無償化だ。ちょうど、社会的にも育休中の労働を一部認める取り組みが行われていたことから、労働局に働き方を問い合わせ、週2~3日、数時間ずつ働いて制度化にこぎつけた。

 「育児中の方から相談を受けることが多く、社内キッズスペースの設置もたくさんの人の声に後押しされて進めてきたものでした。社内から期待されている制度の実現を、自分の育休取得のために遅らせてしてしまうのは嫌だったので、どうしてもできるだけ早く実現したかったんです」

 2005年10月に制度化され、会社から一定の補助が出ていたベビーシッターサービスだが、1日預けると1万円を超えることもあって、気軽に利用するにはハードルが高かった。

 「ベビーシッターサービスは、常に必要ではないけれど、必要なときが必ず来るものです。使いたい、というときに金額がネックになって使えなければ、会社の業務に穴を空けることになりかねず、結果的に会社の損失につながります。このような状況ですと、子育て中の社員も大きい仕事に手を挙げにくくなり、キャリア面から見てもマイナスですよね。もしものときのバックアップを、安心して利用できる環境が必要でした」

 段階的に引き下げていければと、1時間500円でベビーシッターを利用できるという案を含めて、複数の案を作ったが、経営層のトップ判断で無償化が決定。現在は月16時間分まで、全額会社が補助している。

社員であれば誰でも利用できる、キッズスペース「えいさんのおうち」

 さらに、「自分がいないときに、他人を家に上げるのは抵抗がある」「ベビーシッターを呼ぶために部屋を掃除しなければならず、手間がかかるので利用しにくい」といった声を受け、社宅の一室をベビーシッター利用希望者のために開放。利用したいときは自分で部屋を予約し、ベビーシッターサービスに連絡をして、社員がシッターを自分で手配するという仕組みだ(キッズスペース「エイさんのおうち」)。

 「もともと社宅ですし、おもちゃは社員のお古で賄っているので、費用はかかっていません。登録者は、共働きの男性社員が多いですね」

 このほか、育児期の在宅勤務制度もトライアルし、制度化した。

 「『子どもの行事に参加したいのに年休が足りない』『病児対応で休まなくてはいけないときに仕事ができず、困る』などの声がありましたが、在宅勤務の導入で、必要な時間だけ仕事を中断して参観日などの行事に参加することができるようになり、家で子どもを看病しながらも朝や子どもが寝ている時間に最低限の業務を進めることができるようになるなど、社員のキャリア形成の一助となっていることが確認できています。在宅勤務は時間単位の取得も認めていることから、早朝に自宅でアメリカとのテレビ会議に参加してから出社するなど、時差のある仕事と育児との両立もしやすくなっています。時間に制約があっても、担当業務を安心して任せることができるため、職場の上司や同僚からも高い評価を得ています」

 在宅勤務の上限は、フルタイムで働く人なら月40時間というように、働く時間によって決定される。最近では全員の在宅勤務を可とする企業も多いが、製造業である同社では難しい。現状は子どもが保育園までだが、小学生の間も取得できるよう範囲を広げることも検討し、取得者を増やしていきたい考えだ。

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