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日本の無償ケア労働は「お母さんの負担」が重過ぎる

子育て・教育

日本の無償ケア労働は「お母さんの負担」が重過ぎる

治部れんげ/小中学校で既に始まっている、私たちが注目すべき取り組みとは?

実はもはや誰も「女性は家庭にいるべき」だとは思っていない

 今月始め、千葉県教職員組合の年次研究会に出席しました。「両性の自立と平等」をテーマにした分科会で共同研究者を務め、県内約20の公立小中学校で行われた授業の研究発表を聞き、専門家の観点からコメントをさせていただきました。発表内容や授業の工夫がとても興味深く、革新的で驚いたのです。

 私は政府や都のジェンダー平等政策の会議に出席したり、地方自治体の男女共同参画関連の講演に行ったりする機会がよくあります。どこでも話題になるのは「固定的な性別役割分担(男は外で働き、女は家庭を守る)意識が強い。教育や啓蒙が必要」ということ。

 でも、先生たちの授業研究発表を聞いていると、教育現場では取り組みが、とっくに始まっていることが分かります。

 例えば、無償ケア労働の実態調査。ある学校では、子どもたちに家庭内の家事について、どんなものがあるか意見を聞き、付箋に書いたうえで、それを誰がやっているかを聞いて分類しました。予想以上にお母さんが大変であることを知った子どもたちは「もっと手伝いをしよう」と思うのです。

 さらに、学校によっては「なぜ、お父さんはやっていないのか」「帰りが遅いから家事をしたくても無理」と家庭内のアンバランスや長時間労働の問題にも着目します。子どもの身近な話題から始めて「気づき」につなげていく授業に感心しました。

 興味深いのは、親も子どもも先生も「女性は家庭を守るべき」とは思っていないこと。ある学校が行った調査では「女性は家庭にいるべき」と思っているのは0人にもかかわらず、実際には母親が家事の大半をやっている事実をあぶり出しました。意識と実態のギャップを個人に直接ヒアリングするのは、学校の特徴を生かした試みだと思います。

 「無意識の思い込み」から子どもたちを解放していく試みもありました。例えば、保育士さん、大工さんなどの職業を例にとり、「男性の仕事? 女性の仕事?」と尋ねます。最初のうち「保育士さんは女性」「大工さんは男性」と子どもたちは答えます。これは、大人でも同じかもしれません。

 そこである学校では、地域で働く女性大工さんを授業に招きました。「自分の町に女性の大工さんがいる」ことを目の当たりにした子どもたちは「やりたい人、向いている人がやればいい。男とか女で決めなくていい」と自然に気づいていくのです。

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