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中学受験 大手進学塾で潰れ、個人塾で伸びる子とは

子育て・教育

中学受験 大手進学塾で潰れ、個人塾で伸びる子とは

兄はSAPIX、弟は個人塾。塾との相性は兄弟でも異なる

お互い目指す学校は違うけれど、基本を大事にした授業は双方に効果的

 とはいえ、偏差値30もの差があるクラスで、受験指導は可能なのでしょうか?

 「『LOGIC』では、学力の差にかかわらず、基本は一斉授業です。理解度が低い子は、できる子の解答を見て学び、刺激を受けて伸びていきます。また、理解度の高い子にとってもメリットがあります」

 「大手進学塾では6年生になると、発展問題の演習に偏りがちです。でも、難関校の問題は、過去問演習ばかりやっても意味がないのです。将人くんが合格した麻布中もそうですが、難関校の入試は初見の問題が多く、その場の対応力が合否を分けます。そういう問題が出たときに、頼れるのは基礎知識です。でも、上位クラスの子は受験直前の勉強が演習中心だったゆえに、意外に基礎が抜けている単元があったりします。でも、理解度の低い子と一緒に授業を受けていると、基礎を大事にするので、記憶から消えないのです。つまり、お互いによい効果があるのです」

 将人くんにとって、個人塾に通うメリットは他にもありました。それは、自分のペースに合わせて受験勉強ができたことです。

 幸枝さんはこう話します。

 「将人は小学1年生のときから、少年野球のコーチをやっていた夫の勧めで野球をやっていました。兄もやっていましたが、兄は受験勉強が忙しくなってきた5年生のときに辞めました。でも、将人は勉強よりも野球が好きで、野球は絶対に最後まで(6年生12月まで)続けると言い張りました。練習は土日だけでしたが、両日終日ありました。そのため、模試を受けられないこともありました。雨が降って野球が中止になったら模試に行くといった感じでしたね。もし、大手進学塾に通っていたらできなかったと思います」

 大好きな野球を続けながら、難関校の麻布中に合格した将人くん。はたから見ると、常に成績が順調だったという印象を受けます。

 「いえいえ、成績には波がありましたよ」と松岡先生。

 「将人くんは乗っているときはいいけれど、疲れるとすぐ手を抜く子なんです(笑)。秋の模試で成績が下がってしまったときは、さすがに心配しました。でも、短期集中型で頑張れる子だと思いましたので、12月に野球を引退してからラストスパートをかけました。1月は学校をお休みして、朝9時から夜7時まで猛勉強。そこで集中的に対策を取りました」

 「受験校選びについては、本人の性格を踏まえて前半勝利型に設定。将人くんの性格から言うと、最後まで粘り強く頑張る受験は難しいと思ったのです。その予想は見事に的中。5つの受験校のうち前半の3つは合格、後半の2つは不合格でした。後半の2つというのは、麻布中よりも偏差値が下の海城中と芝中です。このように中学受験は、子どもの性格が大きく影響するのです。3年間、そばで見ていたからこそ取れた作戦だと思います」

 「でも、大手進学塾では、生徒の数が多すぎて子ども一人ひとりの性格を把握することはできません。そこで偏差値だけで判断せざるを得ない。でも、入試傾向は学校によって全く違います。将人くんは一般的な入試問題はあまり興味を示しませんでしたが、麻布中の問題だけは面白い!と言って食いついて解いていました」(松岡先生)

 中学受験の最終ゴールは志望校に合格することです。大手進学塾には受験に必要なカリキュラムが充実していますが、そこに通いさえすれば安心というわけではありません。大事なのは、その塾がお子さんにマッチしているかどうか。お子さんが伸び伸び学べる環境を見つけることが、中学受験における最大のポイントと言えそうです。

(取材・文/越南小町)

中学受験 LOGIC代表・松岡宏明

大手進学塾の塾講師を経て、2014年に1学年1クラスの少人数制指導の中学受験塾を設立。4年生から3年間、同じクラスで、同じ講師が教科指導を行い、子どもの得意・不得意を把握。6年生後半からは生徒一人ひとりの志望校に合わせた受験対策を行う。これまでに麻布中、吉祥女子中、明治大学付属明治中などに合格者を輩出。https://jukenlogic.com

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