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少子化時代に子を産み育てるスタイルは1つではない 

子育て・教育

少子化時代に子を産み育てるスタイルは1つではない 

結婚と出産はセットという前提を続けて、少子化は解消するのか? 「未婚の母」が増えている事実に目を向けるべき

未婚でも子は欲しい若い女性たち

 将来、子どもにしてほしくないことを日本の親に尋ねると、62.3%が「未婚で子を持つこと」を選んでいます(国立女性教育会館『家庭教育に関する国際比較調査』2006年)。スウェーデンでは、こういう親は17.6%しかいません(嫌われるのは同居!)。

 辛い道を歩んでほしくないという親心でしょうが、未婚で子を産む選択肢を確立することが、わが国の少子化を克服する術なのではないかと、個人的に考えています。実はですね、「結婚は望まないが子どもは欲しい」という考えの若い女性、結構いるのですよ。

 2013年に内閣府が実施した若者の国際意識調査では、結婚をすべきか(したほうがいいか)、子どもを欲しいか、と尋ねています。この2つをクロスさせることで、「結婚はしなくてもいいけれど子どもは欲しい」という考えの女性を抽出できます。図2は、日本とスウェーデンの20代未婚女性の結果です。横幅で結婚意識、縦幅で出産希望の有無を表現しています。

 横軸をみると、スウェーデンでは結婚否定派(しなくてもよい、しないほうがいい)が多くなっています。これを出産希望と絡めると、「結婚はしなくてもいいが子は欲しい」女性の割合は62.0%にもなります。法律婚ではなく事実婚でいい、という考えなのでしょう。

 日本でも、こういう女性は18.2%います。20代の未婚女性は443万人ほどですが(『国勢調査』2015年)、この比率をかけると81万人になります。この81万人の女性が出産に踏み切った場合、出生数はかなり増えることになるでしょう。

どんなスタイルでもちゅうちょせず子どもを産めることが少子化を止める一手

 いろいろと「縛り」が生じる結婚(法律婚)をせずとも、子どもを産み育てられるようになれば、少子化問題は解決するかもしれません。策としては、事実婚のカップルに法的保護を与える、シングルの親への経済的支援を手厚くするなどが考えられます。少子化に歯止めがかかるならそのコストは回収されるように思いますが、どうでしょうか。千葉市が、事実婚のカップルを法定婚の夫婦と類似の関係と認める「パートナー制度」を導入するそうですが、こういう取り組みが広がってほしいと願います。

 少子化の原因は未婚化という認識のもと、各地で「婚活」の取組が行われていますが、結婚と出産をセットで考える必然性はありますまい。いろいろ書きましたが、どんなライフスタイルを選ぼうが、子を産み育てられるようになればいい。私が言いたいのは、こういうことです。

舞田 敏彦

舞田 敏彦

教育社会学者。1976年生まれ。東京学芸大学大学院博士課程修了。博士(教育学)。専攻は教育社会学、社会病理学、社会統計学。著書に『教育の使命と実態』(武蔵野大学出版会)、『教職教養らくらくマスター』(実務教育出版)、『データで読む 教育の論点』(晶文社)など。
公式ブログ「データえっせい」

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