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働く母だからこそ子に伝えられることがある

子育て・教育

働く母だからこそ子に伝えられることがある

「全米最優秀女子」の母、ボーク重子さん(中)専業主婦から一念発起し、アート分野でキャリアを築く/仕事の悩みを子に積極的に相談、失敗を乗り越えるプロセスを見せる

 「頭のいい子」が育つ家庭は、何が違うのか。子どもの学力や能力、才能を存分に開花させるために、親が家庭でやるべきこと、心がけるべきことは何かを探る連載。高学歴芸人のロザンさんにご登場いただいた第一弾に続き、第二弾でご登場いただくのは「全米最優秀女子高生」を育てた日本人母で、アート関係の仕事を持つワーキングマザーでもあるボーク重子さんです。ボークさんが非認知能力を最重視してきた理由と、子育てにおいて実践してきた5つのポイントを紹介した上編に続き、中編では、ボークさんが仕事を通じて子どもに伝えてきたことについてお聞きしました。

<ボーク重子さんインタビュー>
(上) 「全米最優秀女子」母 非認知能力を家庭で育む術
(中) 働く母だからこそ子に伝えられることがある ←今回はココ
(下) 習い事は子どもの「パッション」を育むためのもの

娘の非認知能力を育む過程で自身のパッションにも向き合うように

 「全米最優秀女子高生」を育てた日本人母で、アート関係の仕事を持つワーキングマザーでもあるボーク重子さん。結婚・出産後は専業主婦でしたが、娘のスカイ・ボークさんに非認知能力を身につけさせるための教育を家庭でも取り入れ始めたことをきっかけに、「自分自身のパッションにも向き合い始めた」と言います。

 「人生を豊かにするために、娘にはぜひ、心から夢中になれること=パッションを見つけてほしいという思いがありました。それと同時に、娘にそれを求めるなら、自分自身もパッションを見つけるべきだと思ったんです。以前から興味があったのが、留学先の英国の大学院でも学んだ“アート”。いつか自分のギャラリーを開きたいという夢がありました。

 最初の一歩として取り組んだのが、美術館で“はたき”をかけるボランティア。『小さな仕事』などとは一切思わず、全力で取り組み、様々な提案も行いました。そうした意欲が買われ、3カ月後には企画部で働かないかと声がかかりました」

 ボークさんが関心を持っていたのは、中国をはじめとするアジアの現代アート。米国人はアジアへの旅行が好きだから、アートもきっと受け入れてもらえるという確信がありました。ただ、アジアの現代アートという市場はまだなく、周囲から「市場として成立しない」と言われたと言います。

 「でも、当時中国の経済がどんどん上向きになってきていましたし、今後2年くらいなら、貯金もあるから踏ん張れると考えました。その間にアジアのアートがブレイクすればと願いながら、ギャラリーオープンに向けて動き始めました。そして2年後にギャラリーを開くことができ、サザビーズというニューヨークのオークションハウスが初めてアジアの現代アートオークションを行った際に、価格が10倍くらいに跳ね上がったんです。当時、東海岸でアジアの現代アートをやっているのは私一人だったので、一躍トップギャラリーの仲間入りができました」

 アメリカの副大統領夫人、スイス人の有名コレクターや美術館が顧客になるなど、どんどん発展。土日も駆けずり回り、充実した日々でしたが、6年たって、ワークライフバランスについて迷うようになったといいます。

ママ自身の人生が充実していないと、子どもは思い切って巣立っていけない

 「仕事が充実していく半面、家族との時間がどんどんなくなっていきました。『何のために結婚をして、お母さんをしているんだろう』という思いが湧いてきました」

 今後のワークライフバランスを考え、仕事の方向性を変えることにしたボークさん。すでにコレクションを持っている人や、今後コレクションを始めてみたい人にアドバイスを行い、「この作家のこの作品を見つけてほしい」「これはいくらくらいが適正価格なのか」といった相談を受けるコンサルティング業にシフトすることに決めました。コンサルティングなら、顧客一人一人とじっくり向き合うことができ、時間もある程度融通が利くようになるのではと考えたといいます。

 コンサルタントになってからは、1日に働く時間を3つに分けました。朝から15時まではお客さんに会う時間、15時から22時半までは家族との時間です。スカイさんを片道45分かけてバレエに連れていき、3時間のレッスンが終わるのを待って連れて帰る。帰ったら夕飯を15分で作って家族3人で食べます。そして22時半以降は「自分の時間」と決めました。

 子どもはどんどん成長していくから、母親である自分も成長しなければ――そうした思いで、積極的に「自分の時間」も大切にしたといいます。

 「子どもはいつか巣立ちます。そのときに、ママ自身の人生が充実していないと、子どもは安心して、思い切って巣立っていけません。自由な気持ちで巣立っていってほしいから、私自身の人生も時間をかけて築いていく必要があると考えました」。スカイさんが10歳の頃から、『10時半になったら、ママの時間ね』と書斎にこもり、将来に向けての勉強をしたり、趣味の時間を持つようになったボークさん。「娘も理解して自分の部屋に引き上げるようになりました。10歳の子どもでも、きちんと理由を説明すれば、必ず納得してくれます」

 この「自分の時間」を使って、ライフコーチの勉強も始めました。コンサルティングの仕事を始めるときに、自身の将来のビジョンを具現化するためにコーチングのセッションを受けたことがきっかけで、コーチングという仕事自体にも興味を覚えるようになったためです。

 「ライフコーチの仕事は50歳、60歳になって始める方も多く、実は年齢を重ねてからの方がうまくいく職業なんです。今は人生100年時代で、健康寿命も延びています。一つのキャリアだけで終わらなくていい。娘が巣立つころ、私は52歳。あと50年もあるんだから、今までとは違うキャリアを切り開いていきたいと思いました」

 順調にキャリアを築いていったように見えるボークさんですが、もちろん、失敗や挫折もたくさんありました。その都度、スカイさんにも状況を共有し、アドバイスを求めたといいます。

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